Discover 江戸旧蹟を歩く
 
 新吉原奉納

  松葉屋半蔵/八百屋善四郎/駿河屋市兵衛

    ○ 白鬚神社
    ○ 素盞雄神社
    ○ 虎ノ門金刀比羅宮
 
  その他奉納(各別ページ)
    墨田区や荒川区より遠い、足立区や千葉県流山での奉納も見られます。

   【台東区】
    ○ 浅草神社狛犬奉納
    ○ 人丸堂(浅草神社)歌碑奉納
    ○ 浅草寺弁天堂の聖観音真言梵字の碑
    ○ 浅草寺観音裏の一葉観音
    ○ 待乳山聖天の奉納石板
   【世田谷区】
    ○ 幸龍寺・清正公堂の手水鉢奉納
   【荒川区】
    ○ 回向院の烈婦瀧本之碑発企人
    ○ 宮地稲荷神社の新吉原奉納手水鉢
   【足立区】
    ○ 西加平神社の手水鉢奉納
    ○ 国土安穏寺の南無妙法蓮華経題目碑奉納
    ○ 大鷲神社の石垣奉納
   【流山市】
    ○ 駒木諏訪神社の手水鉢奉納


○寄進者

<松葉屋>

 松葉屋は、新吉原角町の遊郭です。
 楼主は代々半左衛門を襲名(寄進者名としては半蔵もあり)。
 松葉屋の花魁ショーは、はとバスコースにもなっていましたが、平成10(1998)年に廃業しました。

八百善>

 八百善は、文人墨客から将軍家までが利用する江戸第一と称された山谷の料亭です。
 寄進者名として、八百屋善四郎と記されています。
 八百善があった場所は、新鳥越2丁目で、後に、吉野町二一番地、現在は台東区東浅草1-8-12です。
 現地には、今は何の痕跡もありません。
 (参考)八百善のホームページ(消失) インタビュー記事

「江戸流行料理通」(八百善主人 文政5(1822)年 都立図書館蔵)

   
 
 八百善二階座敷で四人の人物が酒食に興じています。
 四人は大田南畝(向かって右)、亀田鵬斎(奥)、大窪詩仏(左)、酒井抱一(手前)とされてきましたが、
 手前の人物については紋から画家鍬形恵斎自身であるとの考証も近年提示されています(都立図書館の解説を参照しました)。

  

「江戸高名会亭尽 山谷 八百善」(広重 メトロポリタン美術館蔵)
 「狂句合 八百善へ大社市と神を」

  

「開化三十六会席 山谷 八百善」(国周 明治11年 都立図書館蔵)

  

<駿河屋>

 駿河屋は、新吉原仲ノ町の引手茶屋です。
 寄進者名として、駿河屋市兵衛とあります。


白鬚神社 墨田区東向島3-5-2

 白鬚神社は、天暦5(951)年に慈覺大師が関東下向時に、白鬚大明神の御分霊を当地に祀ったと伝えられています。
 天正19(1592)年には、将軍家より神領2石を寄進されました。隅田川七福神の寿老神をお祀りしています。

     

<狛犬>

 八百善と松葉屋半左衛門、駿河屋市兵衛の寄進した狛犬(文化12年(1815))があります。
 台座に「松葉屋半左衛門」と刻まれています。
 台座側面に「八百屋善四郎」「駿河屋市兵衛」と刻まれています。

 (白髭神社由来より)
 「社前の狛犬は山谷の料亭八百善として有名な八百屋善四郎、吉原の松葉屋半左衛門が、
  文化十二年に奉納したもので、其の信仰のほどが偲ばれる。」

 由来に記載はありませんが、狛犬には吉原の引手茶屋の「駿河屋市兵衛」の名が見えます。

     

     

(掲示)
「白鬚神社
祭神 猿田彦大神 天照大御神 高皇産霊神 神皇産霊神 大宮能売神 豊由気大神 健御名方神
由緒
 天暦五年(西暦九五一年)に慈覺大師が関東に下った時に、近江国比良山麓に鎮座する白鬚大明神の御分霊をここに祀ったと、社伝の記録は伝えている。天正十九年(一五九二)には、時の将軍家より神領二石を寄進された。
 当社の御祭神猿田彦大神が、天孫降臨の際に道案内にたたれたという神話より、後世お客様をわが店に案内して下さる神としての信仰が生まれた。社前の狛犬は山谷の料亭八百善として有名な八百屋善四郎、吉原の松葉屋半左衛門が、文化十二年に奉納したもので、其の信仰のほどが偲ばれる。明治四十年には氏子内の諏訪神社を合祀した。
隅田川七福神(以下略)」

   

「江戸名所図会 白髭明神社」

 白髭明神社が描かれています。
 遠景に隅田川、浅草寺、大橋が見えます。

  

「江戸名所百人美女 白髭明神」(豊国・国久 都立図書館蔵)

 こま絵には、桜越しに白髭明神が描かれています。
 美人の右には、目鬘(めかつら)を売る屋台が描かれています。
 目鬘は、花見に訪れた人々が、花見の宴会の小道具として使ったりお土産としました。
 美人は花見に来て、これから白髭明神にお参りするところです。
 美人の視線の先に旦那がいるようで、美人は旦那の所有物を手にしています。

   


素盞雄神社 荒川区南千住6-60-1

 狛犬の台座に「新吉原角町 松葉屋半蔵」とあります。

     

     

 狛犬の台座に「昭和10年」の年号記されているので、昭和10年に修復されているのかも。

  

 ※「素盞雄神社」全般については、こちらで記載


虎ノ門金刀比羅宮(ことひらぐう) 港区虎ノ門1-2-7

<銅鳥居>

    

(標柱)

    

<支柱>

 銅鳥居の支柱には、新吉原の各町の遊郭が数多く刻まれています。

 文政四年(1821年)奉納の願主に3名の名があります。
 そのうちの1人が新吉原京町1丁目「若松屋藤右エ門」

 世話人に「新吉原角町 松葉屋半蔵」とあります。
 仲ノ町には、ここにも「駿河屋市兵衛」の名があります。
 新鳥越2丁目には、「岡田屋忠七」「八百屋善四郎」の名があります。

     

 ※「虎ノ門金刀比羅宮」全般については、こちらで記載


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